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エンジニア必見!JavaScriptの新常識『パイプライン演算子』の驚異の8機能

8 Features of the JavaScript Pipeline Operator You Should Know

記事は上記記事を意訳したものです。

※当ブログでの翻訳記事は元サイト様に許可を得て掲載しています。


JavaScriptパイプライン演算子(|>)は、現代JavaScriptにおける最も注目すべき提案の一つです。関数型プログラミングにインスパイアされたこの機能は、関数のチェーン化を簡素化し、コードの可読性と保守性を向上させます。まだTC39の提案段階(現在はStage 2)ですが、これがワークフローをどのように改善できるかを探る価値があります。

1. 関数合成の簡素化

パイプライン演算子の最大の利点の一つは、関数合成をより優雅にすることです。深くネストされた関数呼び出しの代わりに、明確な左から右への実行順序が得られます。

パイプライン演算子なし:

const double = x => x * 2;
const increment = x => x + 1;

const result = double(increment(5)); // 12

パイプライン演算子あり:

const result = 5 |> increment |> double; // 12

ずっと綺麗になりましたね?パイプライン演算子は入れ子になった括弧を排除し、データの流れを追いやすくします。

2. アロー関数との相性が抜群

アロー関数が好きな方にとって、パイプライン演算子はインラインでの直接使用を可能にすることでさらに強力になります。

例:

const square = x => x * x;
const halve = x => x / 2;

const result = 10 |> square |> halve;  
console.log(result); // 50

複数の関数呼び出しをラップする代わりに、データの順次変換が得られ、意図が明確になります。

3. コールバック地獄の軽減

特に非同期操作において複数の変換を扱う場合、パイプライン構文はコールバックのネストを避けるのに役立ちます。

例:

const fetchData = async url => fetch(url).then(res => res.json());
const extractTitle = data => data.title.toUpperCase();

const result = await "https://api.example.com/post/1"
  |> fetchData
  |> extractTitle;

console.log(result);

これにより、.then()呼び出しを深くネストすることを避け、ロジックを追いやすくなります。

4. メソッドチェーンをより読みやすく

.map()、.filter()、.reduce()などのメソッドを使用する場合、パイプライン構文で変換をよりクリーンにできます。

パイプライン演算子なし:

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

const result = numbers
  .map(n => n * 2)
  .filter(n => n > 5)
  .reduce((sum, n) => sum + n, 0);

console.log(result); // 18

パイプライン演算子あり:

const processNumbers = numbers => numbers
  |> (n => n.map(x => x * 2))
  |> (n => n.filter(x => x > 5))
  |> (n => n.reduce((sum, x) => sum + x, 0));

console.log(processNumbers([1, 2, 3, 4, 5])); // 18

少し長くなりますが、変換を分離して可読性を向上させます。

5. 一時変数の必要性の軽減

中間結果を変数に格納する代わりに、パイプライン演算子を使用すると、値を直接変換に渡すことができます。

パイプライン演算子なし:

let value = "hello";
value = value.trim();
value = value.toUpperCase();
value = `🔹 ${value} 🔹`;
console.log(value); // "🔹 HELLO 🔹"

パイプライン演算子あり:

const result = "hello"
  |> (x => x.trim())
  |> (x => x.toUpperCase())
  |> (x => `🔹 ${x} 🔹`);

console.log(result); // "🔹 HELLO 🔹"

これにより、不要な変数の再代入が排除され、変換の流れが明確になります。

6. Async/Awaitとの相性が良い

パイプライン演算子の最も強力な側面の一つは、非同期関数とうまく統合できることで、非同期ワークフローをより読みやすくします。

例:

const fetchUser = async id => fetch(`https://api.example.com/users/${id}`).then(res => res.json());
const extractName = user => user.name;
const uppercase = str => str.toUpperCase();

const result = await 42
  |> fetchUser
  |> extractName
  |> uppercase;

console.log(result); // "JOHN DOE"

ここでは、fetchUser()が非同期にユーザーデータを取得し、パイプライン演算子が結果をきれいに変換に渡します。

7. 複雑な式の可読性向上

複数の変換がある場合、パイプライン構文はスキャンとデバッグが容易なコードの記述に役立ちます。

例:

const processText = text =>
  text
  |> (x => x.replace(/\s+/g, " ")) // 余分なスペースを削除
  |> (x => x.trim()) // 空白をトリム
  |> (x => x.toLowerCase()) // 小文字に変換
  |> (x => `📢 ${x} 📢`); // 絵文字を追加

console.log(processText("   JavaScript    is   awesome   "));
// "📢 javascript is awesome 📢"

各変換はステップバイステップで適用され、デバッグと可読性が大幅に向上します。

8. 関数型プログラミングライブラリとの相性が良い

RamdaやLodashなどの関数型プログラミングが好きな場合、パイプライン演算子でコードをさらに表現豊かにできます。

例(Ramda):

import { map, filter, reduce } from "ramda";

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

const result = numbers
  |> map(n => n * 2)
  |> filter(n => n > 5)
  |> reduce((sum, n) => sum + n, 0);

console.log(result); // 18

宣言的なスタイルを活用しながら、関数変換を明確に保ちます。

最終的な考察

JavaScriptパイプライン演算子(|>)は、コードをより読みやすく、関数的で構成しやすくするためのゲームチェンジャーです。入れ子になった括弧を排除し、一時変数を削減し、async/awaitや関数型プログラミングパラダイムと美しく統合します。

まだ提案段階ですが、多くの開発者がその現代JavaScript開発における可能性に期待しています。ブラウザとNode.jsの完全なサポートを得れば、より綺麗で表現力豊かなコードを書くための必須ツールになることは間違いないでしょう。

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